梅雨が明けた関東は連日猛暑に見舞われています。
7/31(水)の夕刻、徐々に日が落ちてくるものの市川の街は火照ったまま。
そんな夕暮れ時にJR本八幡駅南口から市川市文化会館へ向かうご年配方の足取りは一様に軽やかです。
皆が向かう先には、何があるのか?

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中尾彬さん・池波志乃さんの終活夫婦トークショーを聴いてきました

7/31(水)、市川市文化会館で行われた中尾彬さん・池波志乃さんの終活夫婦トークショーが開催されました。取材内容をレポートします。

会場は1,237人(株式会社デベロップ公式発表)の聴衆で埋め尽くされ、建物の外とはまた違う熱気に包まれていました。
定刻18時になると司会者の三田佐代子さんが壇上に上がります。

そのままトークショーに入るのかと思いきや、同イベントを後援する市川市を代表して村越祐民市長より開催の挨拶が行われました。意外な人物の登場に会場内から静かなどよめきが沸きます。

村越市長は最近知人の結婚式でスピーチをしたことに絡め「今まで選挙ではたくさん失敗してきたけれど、夫婦関係ではまだ失敗がありません」と会場内の笑いを誘いながら、本日の議題である「終活」に話しを展開していきます。

村越市長の約5分半に渡る挨拶が終わり、いよいよ中尾彬さん・池波志乃さんご夫妻の登壇です。
拍手と共に場内から「うわぁ~~~」という歓声があがります。

じっと客席を見渡す中尾彬さん。
「大勢だねぇ~」
深みのあるあのバリトンボイスで第一声を発します。
ここで皆、あそこにいるのはテレビでいつも見るあの中尾彬だ!とそう思ったに違いありません。

50年前市川駅の南口に住んでいたという中尾彬さん。
また現在も妹さんが市内在住ということで何かと市川市とは縁が深いことを冒頭語りながら、滑りだすようにトークショーが始まりました。

「終活」のきっかけは夫婦2人で大病したこと。書き出す・整理することの大切さを知る

テーマは「終活(*1)」。
(終活*1:人生の終わりのための活動を略した言葉。人が自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備や、そこに向けた人生の総括を意味する。)

2018年4月に中尾彬さん・池波志乃さんの夫婦共著による「終活夫婦」が講談社から出版されました。
そのきっかけとなるのは約10年前、夫婦2人して大病を患ったことに端を発しています。
特にお互い「終活しようね」と申し合わせて始めたわけではなく、病気をきっかけに色々なものを整理してみようと試みたことが幾つかあったと中尾さんは言います。
それがこの3つでした。

  • 1.最初に遺言状を書く。
  • 2.捨てるもの整理するものを書き出す。(家などなるべく大きいものから片付ける)
  • 3.お墓を立てる。

そんなことをしているうちにある人から「中尾さん、それは終活ですよ」と言われ、初めてそこで自分たちの取り組みが何であるかを認識したと言います。

頭で考えているだけではなく、整理してまず書き出す。
これが非常に大切だとご夫妻は強調していました。

中尾彬さんのトレードマーク。あの「ねじねじマフラー」も終活の整理対象に…

中尾彬さんと言えば、有名なのが首元に巻くあの「ねじねじマフラー(*2)」。
(ねじねじマフラー*2:薄手のストールをひたすらねじって作る個性的なマフラー。「中尾巻き」とも呼ばれる。)

一番多いときは400本近い「ねじねじマフラー」が自宅のクローゼットに所狭しと並んでいました。
「春夏秋冬、冠婚葬祭、それぞれに色んなバージョンのねじねじマフラーがありましてね」と中尾さん。
志乃さん曰く、「気に入ってよく巻くものと殆ど使わないものの差が歴然としていて、結局半分近くを捨てました」。

ただ、中には捨てるかどうか迷うものも出てくると言います。
「その時は無理やりその場で判断せず、一先ず置いておくのが終活を長続きさせるコツでなんです」と池波志乃さん。

「このトークショーを主催されているデベロップさんがコンテナとか倉庫を貸し出す事業を営んでおられます。最近はそういうサービスを利用してみるのもいいかもしれないですね」

話の流れにさりげなく主催企業の強みである「トランクルーム事業」を絡めてくるあたり、池波志乃さんに聡明さを覚えました。さすがは噺家の血を引く女優さんです。(池波さんの祖父は落語家の古今亭志ん生)
・株式会社デベロップ トランクルーム事業について
https://develop-group.jp/business/trunk/

長年連れ添った相手が大切にしているもの。終活をきっかけにそれを知る

まず書き出してみる。そして整理していく。
それを続けていたら本になった。
「決してノウハウ本ではありません」と中尾さんが著書「終活夫婦」について説明しました。

「終活をしてみて長年連れ添った相手をあらためて知ることがあった」と中尾さん。
「志乃が何を大切にこれまで生きてきたのか、終活をしてみて知ったことがたくさんありましたよ」
お二人から含蓄に富んだコメントを引き出していく司会者三田佐代子さんのインタビューが絶妙です。

筆者自身、書くこと・記録しておくことの重要性を日々感じています。
この終活トークを聴いて、原始的でありながら、様々なシーンで活用出来る「書き出す」という手法の魅力を再発見した思いです。

全ての人に等しく最期が訪れる。その現実に、誰一人として抗うことは出来ません。
まだ年齢的(筆者40代前半)に「終活」を現実のものとして受け止めがたいものはありますが、後年このトークショーを思い出し、有意義な活動に取り組んでいけるものと思います。

「想い出なんてね、胸の中に入っていればいいんですよ」

この日、私が一番感じ入った中尾彬さんの一言です。
あの深みある低音の声を頭に浮かべ、この言葉をゆっくりと想像してみてください。
皆さんの心に沁み入りませんか?

ライター:u1ro