京成八幡駅から船橋方面へ線路沿いを歩く。地図の通りで間違いないはずだが…。
葛飾八幡宮の表参道を過ぎ繁華街からは益々遠のいていきます。

「道を間違えたか?」一抹の不安を覚える頃、薄暮の中に煌々と照らされる赤ちょうちんが目に止まりました。

「文具店は夜開く。」

赤い扉の向こう、2.5坪のこじんまりとした店内に整然と並べられた文具の数々。
何気なしに棚の引き出しを開けると…、その中にも店主こだわりの品が所狭しと並んでいます。

まるで宝探しをしているかのような気分でその非日常的な空間を愉しみました。

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2月25日販売開始の『いろこばこ』(ぷんぷく堂オリジナル商品)が好評です。

ぷんぷく堂は文具の販売店でありながらメーカーとしての側面もあり、自社のオリジナルブランド商品は実に25点に上ります。

2月25日に発売開始された『いろこばこ』もその一つ。
収納家具やハイヒールの中底に用いるパスコという強靭な紙素材を使用し、50年以上は持つという言わば一生モノに成り得る商品です。

色は、レモン、ピーチ、マスカット、ソーダと柔らかいパステルカラーの4色、2016年11月に商品化され、第26回日本文具大賞デザイン部門グランプリを受賞した『あなたの小道具箱』のハーフサイズです。

「小さなもの、大切なものをこの『いろこばこ』に入れてほしい。」と店主の櫻井有紀さん。

見た目は可愛らしいけれど芯の強い女の子、『いろこばこ』はそんな雰囲気を醸し出す愛らしい姿をしています。

「新商品のネーミングを決めるときには我が子に命名するような気持ちで臨みます。」

櫻井さんは従業員である夫と二人、商品化前のネーミング会議ではこれ以上ないほどに意見をぶつけ合うと言います。

夜開く文具店『ぷんぷく堂』はこうして生まれた。

今やぷんぷく堂の名前は全国に知れ渡り、海外からも出展オファーがあるほど。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。

2012年4月、開業した当初、櫻井さんは昼間別の仕事をしながら夜になると店頭に赤ちょうちんを下げてぷんぷく堂の営業を開始しました。
ここから『夜開く文具店⇒ぷんぷく堂』のスタイルが確立されます。
この頃は昼間の本業を終えると夜7時からお店を開けて10時までの3時間営業でした。

「今思えば大変なことだらけだったと思いますが、不思議と辛いと感じることは一度もありませんでした。」

最短でも5年は続けたい。

その思いでぷんぷく堂を立ち上げた櫻井さんが最初に売り始めたのは、昭和20~30年代に製造されたyacht鉛筆です。

鉛筆の角々に引かれている線は全て職人さんのフリーハンドで描かれたもので一つ一つ太さが違います。

「60年、半世紀以上の時を超え、作った方の手の温もりを感じますよね。」(櫻井さん談)

元々は「ただの文具好きだ」と自らをそう語る櫻井さん。

店主である自身がときめいた文具を商品選びの軸とし、自分の感性を大切に「アンテナが誤作動を起こさない」ためにも雑誌やインターネットでの売筋ランキングには殆ど目を通さないそうです。

3月31日(日)『いちかわ真間川堤桜まつり』真間川沿いにぷんぷく堂が出店します。

このたび3月末から4月中旬まで開催される『いちかわ真間川堤桜まつり』にぷんぷく堂が出店します。(ぷんぷく堂の出店は3月31日の日曜日のみ)

チーバくんや地元市川のヒーローJAGUARさん©をあしらったメモ帳(商品名:そえぶみ箋)や測量野帳、カラフルな鉛筆、文具柄のトートバッグなどを販売する予定です。
※4月より『道の駅いちかわ』でこれらの商品を販売開始します。

「近隣にお住まいの方々が、真間川沿いの桜並木を散歩しならがらぷんぷく堂のスペースへ立ち寄ってくださったら嬉しいです。」(櫻井さん談)

この時ばかりは夜開く文具店、ぷんぷく堂は真間川沿いに出張し昼間も開店します。
(※ぷんぷく堂の出店スペースは冨貴島小学校のあたりです。)

間もなく暖かい季節がやってきます。
ゆっくりと川べりの桜を愛でながら市川が誇る文具店『ぷんぷく堂』をのぞいてみてはいかがでしょうか。

柔らかな春風とともに色とりどりの個性豊かな文具たちが迎えてくれることでしょう。

ぷんぷく堂 店舗情報


※市川市役所は現在工事中です。

  • ぷんぷく堂HP
  • 市川市八幡5-6-29
  • Tel:047-333-7669
  • 営業時間:月火木金土/17:00~22:00、第一日曜日・祝/12:00~19:00

注・遠方の催事で店主が不在の場合、休む事があります。

ライター:u1ro