【多額の赤字】国際医療福祉大が市川総合病院を取得、東京歯科大学市川総合病院は2026年3月末をもって閉院

市川市菅野4丁目にある「東京歯科大学市川総合病院」は、2026年4月1日から「国際医療福祉大学市川総合病院」として新たにスタートすることが決まりました。
東京歯科大学市川総合病院が国際医療福祉大学市川総合病院に
東京歯科大学市川総合病院は、2026年4月から「国際医療福祉大学市川総合病院」になります
これは、病院を運営してきた学校法人東京歯科大学と、引き継ぐ学校法人国際医療福祉大学の間で、2025年12月18日に事業譲渡契約が結ばれたことによるものです。
なぜ病院が引き継がれることになったのか
東京歯科大学市川総合病院は、1946年に開院し、
歯科医療だけでなく、脳神経外科、心臓血管外科などを含む26診療科・511床を持つ、
市川市の中核的な医療機関として長年地域医療を支えてきました。
一方で、近年の医療を取り巻く環境の変化や物価高、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、
2023年度・2024年度と多額の赤字を計上し、
2024年度の赤字額は約16億5,300万円に達しました。
東京歯科大学は、
病院を閉院すれば地域医療に大きな影響が出ること
しかし赤字が続けば大学法人全体の財政にも影響すること
この両面を踏まえ、病院を存続させるための方法として事業譲渡を検討し、
国際医療福祉大学に引き継ぎを打診していました。
国際医療福祉大学が病院を引き継ぎます。
国際医療福祉大学は、東京都・千葉県・栃木県・静岡県で複数の付属病院を運営している医療系総合大学です。
今回、地域医療の混乱を防ぐこと、医学部などの学生教育・実習の場として活用できることを理由に、病院を無償で承継することを決定しました。
何が変わり、何が変わらないのか
【変わる点】
病院名
2026年3月31日:「東京歯科大学市川総合病院」閉院
2026年4月1日:「国際医療福祉大学市川総合病院」開院
【変わらない点】
病床数(511床)
診療科(26診療科)
現在働いている職員の雇用
地域の中核病院としての役割
また、病院内には引き続き東京歯科大学の歯科講座が設置され、
歯学部学生
歯科衛生学科学生
研修歯科医師
の実習や教育は継続されます。
歯科医師の派遣も東京歯科大学が担い、医科と歯科が連携した医療・教育体制は維持されるとされています。
市川市民への影響について
今回の事業譲渡は、病院をなくさないための決断として行われたものです。
国際医療福祉大学は、複数病院を運営することでの規模効果を活かしたコスト削減、早期の経営安定・黒字化を目指すとしています。
まとめ
東京歯科大学市川総合病院は、経営難を理由に閉院するのではなく、引き継がれる
診療体制・病床・職員・歯科教育は維持
市川市の地域医療は今後も継続される予定
長年親しまれてきた病院の名称は変わりますが、
市川の医療を支える病院としての役割は、これからも続いていくことになります。
両大学の公式発表
両大学が発表したプレスリリースです。
【東京歯科大学】
学校法人東京歯科大学が開設する「東京歯科大学市川総合病院」の事業の譲渡について
2025年12月19日
学校法人東京歯科大学学校法人東京歯科大学(以下「当法人」)は、2026年4月1日付で、当法人が開設する「東京歯科大学市川総合病院」(以下「当病院」)の事業を、学校法人国際医療福祉大学(以下「国際医療福祉大学」)へ譲渡する契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
背景と目的
当法人は、1890年(明治23年)に開設された髙山歯科医学院を前身とし、135年にわたり歯科医師の養成に取り組んでまいりました。当病院は、歯科医学教育における全身管理や医科歯科連携を学ぶ場として、当法人が1946年(昭和21年)に市川の地に開設した病院であり、現在では歯科医学教育のみならず、地域における中核病院としての役割も担っています。
一方で、医療を取り巻く環境の急速な変化、特に新型コロナウイルス感染症のまん延以降、当病院は厳しい経営状況に置かれ、2023年度および2024年度の決算では多額の赤字を計上いたしました。当法人の歯科医学教育に果たす当病院の役割は極めて大きいものですが、財政赤字が恒常化した場合、当法人全体の財政的健全性、ひいては法人の存立そのものが脅かされかねません。とはいえ、当病院におかかりの患者さま、地域医療機関、行政など地域社会への責任を踏まえると、当病院を廃止するという選択はあり得ませんでした。このため、当病院の事業譲渡について検討を進めざるを得ないと判断いたしました。当法人は、地域医療の継続・発展に最も適した体制を確保できるか、歯学部、歯科衛生学科の教育面の維持を基準に譲渡先を総合的に検討いたしました。その結果、医療福祉の総合大学として1995年の開学以来、学修環境の充実と人材育成・教育面で確かな成果を挙げ、安定した病院の規模、機能を持つ国際医療福祉大学に、当病院の承継についてお願いし、今般、合意に至りました。
承継後の歯科医学教育の担保
国際医療福祉大学は、当病院における歯科医学教育の継続について当法人と協定を締結し、当法人が重視する「歯科医師教育における医学教育・医科歯科連携を学ぶ場」が今後も維持される見通しとなりました。
地域における歯科医療の機能については、今後も当法人が責任をもって担います。病院内に東京歯科大学の講座を引き続き設置し、歯学部学生、歯科衛生学科学生、研修歯科医師などの実習生を受け入れるなど、医科との連携を学ぶための万全な教育体制を維持、拡充してまいります。今後のスケジュール
2025年12月18日 事業譲渡契約締結
2026年3月31日 東京歯科大学市川総合病院閉院
2026年4月1日 国際医療福祉大学市川総合病院開院結びに
このたびの事業譲渡は、当病院が将来にわたり地域の中核病院としての責務を果たし続けるための、最良の選択であると確信しております。2026年4月からは、国際医療福祉大学のもとで診療機能のさらなる充実が図られることとなりますが、当法人も引き続き歯科診療・教育・研究を通じて当病院とかかわり続けてまいります。新しく生まれ変わる病院へ変わらぬご厚情とご信頼をお寄せいただけますよう、心よりお願い申し上げます。引用:東京歯科大学市川総合病院
【国際医療福祉大学】
学校法人国際医療福祉大学による東京歯科大学市川総合病院の承継について
学校法人国際医療福祉大学(以下「本学」)は、学校法人東京歯科大学(以下「東京歯科大学」)が運営する「東京歯科大学市川総合病院」(千葉県市川市、以下「当病院」)を承継することについて合意し、事業譲渡契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。承継により、当病院は2026年4月1日より、「国際医療福祉大学市川総合病院」として新たに開院する予定です。
経緯
本学は、東京歯科大学から当病院を無償で譲渡したいとの申し出を受けました。
本学といたしましては、地域医療の混乱を防ぐこと、医学部をはじめとした学生の教育および実習の施設として活用できることから、当病院を承継することにいたしました。
また、当病院内に東京歯科大学の歯科講座を引き続き設置し「歯科医師教育における医学教育・医科歯科連携を学ぶ場」として、歯学部学生、歯科衛生学科学生の実習の受け入れ、臨床研修歯科医師の受け入れを行い、教育に必要なスペースや設備を提供するとともに、医科との連携を学ぶための万全な教育体制を整えてまいります。引用:国際医療福祉大学
国際医療福祉大学が運営する付属病院(主要6病院)
国際医療福祉大学病院
〒329-2763 栃木県那須塩原市井口537-3
国際医療福祉大学塩谷病院
〒329-2145 栃木県矢板市富田77
国際医療福祉大学成田病院
〒286-8520 千葉県成田市畑ケ田852
国際医療福祉大学市川病院
〒272-0827 千葉県市川市国府台6-1-14
国際医療福祉大学三田病院
〒108-8329 東京都港区三田1-4-3
国際医療福祉大学熱海病院
〒413-0012 静岡県熱海市東海岸町13-1










